レッシーぱぱの家・育児談話室/フリー・トーク #008

−−「男女共同参画」って何?−−

  話題になりましたよね、SAMさん出演の厚生省のPR。 (ポスターはこちらから見られます) もちろん私も、このPRについて書こうと思ったのですが、 いろいろと調べていくうちに、とんでもないものにぶち当たってしまったんです。
一見すると厚生省は、「男親が育児に参画することで少しでも少子化対策になれば」 と考えているように見えます。 事実、「平成10年版厚生白書の概要」ページ (「レポート」として非常によくできています)からも、そういうメッセージが見えてきます。 でも、結論を先に言ってしまうと、 厚生省は、自らのテリトリー、すなわち厚生省自身でできる範囲の中で、 議論を投げかけたに過ぎないのです。 そして、議論の投げかけという目的は、 天野祐吉氏が朝日新聞「CM天気図」(1999.04.04朝刊)に取り上げたことからみても、 充分達成できた、ということができましょう。
ただし、少子化対策に有効な施策が、「父親の育児参加」だけでないことは、 天野氏の言を待つまでもなく明白なことです。 では、厚生省のPRから、それを実施させたトータル・プランまで、遡っていくことにしましょう。

「少子化」問題への対応については、内閣総理大臣の諮問機関である 「少子化への対応を考える有識者会議」が、 平成10年12月に発表した提言 「夢ある家庭づくりや子育てができる社会を築くために」 および、各分科会の報告書に詳しく書かれています。 この会議に参加した方が、 「ゆうちゃん」の会員向け月刊誌"You"や、 "532 asahi.com"で、 もう少し詳細な論議を展開していますので、参考にされるのもよいでしょう。 さきほどあげた平成10年版厚生白書や、厚生省のPRは、 この報告書を直接のきっかけとして、作成されたことに間違いありません。
しかし、さらに、 「少子化」そのものの原因であったり、「少子化」の結果生まれてくる弊害をどう解決していくか、 というもっと大きな視点で、「男女共同参画」というコンセプトが存在しています。
「男女共同参画」への取り組みは、政府・行政全体のものとしてきちんと組織化されていて、 事務局が総理府の「男女共同参画室」におかれ、内閣官房大臣が担当大臣として任にあたっています。 このことからもわかるように、これはもはや国の「重要政策」なのです。 「男女共同参画室」のページ 「ジェンダー・インフォメーション・ページ」をみると、その内容の豊富さに驚かされます。 特に女性に関する項目の多さは、いかにこの国で女性が「差別」されてきたかを、 はっきりと物語っているようです。

さて、それでは、そのさわりをちょっと勉強してみたいと思います。
従前の「男性は仕事、女性は家事……」に代表される「男女の性別に固定された役割分担」は、 これからの時代にふさわしくない。 「世界女性会議」などを中心として、 特に女性の位置づけを見直そう、という議論が活発になっています。 これに、日本が直面している「少子化」問題が生み出す弊害を解消する必要性を絡めて、 「男女共同参画」というコンセプト(いや新しいパラダイムといった方がいいかも知れません) が生まれてきたのです。
女性ももっと仕事に能力を発揮できるようにしたり、政策立案や行政にどんどん参加したりして、 女性にやさしい社会を作っていくこと。 同時に男性も地域活動や家事・育児・介護などにもっと参画して、 無償労働を女性とわかちあうこと。 もちろん、セクハラばかりではなく、女性に対するあらゆる偏見や蔑視を排除すること。 そのために、法制度の改正やPR、地方公共団体の施策などを積極的に実施していくこと。 ざっと言えば、こんなところでしょうか。
このコンセプトの実現のために、平成8年に有識者によってまとめられた 「男女共同参画ビジョン」 をもとに、同年 「男女共同参画2000年プラン」 が答申され、 これをもとに各省庁や地方公共団体などが、「男女共同参画」に向けた動きをしています。 このプランに基づき、 「男女共同参画基本法案」 なるものも作られていて (これには民主党が対案を出してもいます)、 この法案によって各都道府県が「男女共同参画計画」の作成を強制される (神奈川県などはこれに先立ち、すでに同計画を発表しています) など、具体策が次々に実施に移されていきます。 また、先ごろの「労働基準法」や「男女雇用機会均等法」の改正も、 女性差別項目の撤廃という面では、このプランに乗ったかたちでおこなわれています。

このように、「男女共同参画」についての取り組みは、 すでにかなり進んできている、といえる状況になっています。 あとひとつ、気になることがあるとすれば、 男性の立場から新たな参画分野での負担を和らげたり、 手助けしてもらったりできるプランがほとんど提示されていない、ということです。 細かい話は別の機会に譲るとしても、「AERA」1999.04.12号に述べられているような 「パパたちの育児ストレス」といったものも、この取り組みを進めていく上で注目され、 対応策が検討されていくべきだと感じます。
ところで、このページをお読みの皆さん、 「男女共同参画」が国の重要政策だ、ということをご存知でしたか? 私も先月、別の新聞記事を読んでいて、「えっ?」と思ったぐらいですから、 ご存知でいらした方は相当少ないのではないでしょうか? でも、このページを読まれた以上は、 「男女共同参画」をご自身に直接かかわることと認識し、もっと議論していきましょう。 そして、それがよりよい政策、施策に結びついていけば、 もっとみんなかハッピーになれる社会に一歩近づいていくことができる、 そう思います。
 

 今回は、ぜひいろいろ論議したいと思っています。
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1999.04.10作成 2000.03.30更新
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